| 法律 |
制度ができた背景とその概要 |
| 消費者契約法 |
市民革命によって、王権と教会の統治を排除したヨーロッパ諸国は、契約当事者は互いに対等であることを大前提とする「民法」を制定する。しかし、技術の発展やサービス、商品が増えるにつれて、売り手に対して買い手は無知であり、対等な契約は不可能となった。
それを是正するのが「消費者は無知であり立場が弱い」ことを前提とした消費者契約法である。今や私立大学の前払い授業料は消費者契約法によって合格者が入学しなければ全額が返還される。有料老人ホームの契約は、要介護となると狭い介護居室へ移されたり、強い認知症は退去させられ、入居者にとって著しく不利益である。特に「頭取り」は、まさに私立大学の前払い授業料と同じ性格である。この3月、厚生労働大臣は国会で「今後の有料老人ホームの取り締まりには消費者契約法で対処する」旨の発言をした。 |
| 景品表示法 |
「独占禁止法」「下請法」と並び、公正取引委員会が有する三大法律の一つ。 正しい名称は「不当景品類及び不当表示防止法」。不当な表示の防止として、第4条第1項があり、その第1、2号が誇大広告である。第3号は、消費者被害の多い商品やサービスを個別に指定して、強制的に表示項目を定めるもの。代表的な商品としては、ジュースがある。容器に「100%果汁」「50%果汁」「3%果汁」「無果汁」と強制的に印刷させて消費者の選択を助けている。「無果汁」では商品が売れないと懸念して、印刷を省くと「不表示」となり「排除命令」となり、営業停止となる。有料老人ホームの場合、排除命令を受けると、信用が失墜して、そのまま倒産となりかねない。このため、04年10月から有料老人ホームに対する第4条第1項第3号が施行されると、新聞から有料老人ホームの広告は激減した。 |
| 高齢者居住法 |
要は、売れ残った住宅供給公社のマンションを、介護施設に改築して高齢者相手に賃貸するための法律。住宅供給公社は都道府県と政令指定都市が保有するが、大半がバブル崩壊後は赤字が巨額に積み上がった。その救済策として、国土交通省が制定したものである。
もともとマンションのため居室は広く共用部分はほとんどない。それを逆手にとって、高齢者専用賃貸住宅(高専賃)の資格要件には、部屋にトイレ、浴室、台所があれば、共用部分はあまり問わない。老人福祉法が定める「有料老人ホーム」ではない。したがって、有料老人ホーム設置運営指導指針も、景品表示法も、その効力が及ばない。しかも有料老人ホームの総量規制の対象外のため、ここへきてチェーン展開している有料老人ホーム事業者から俄然注目されてきた。ただし、マンションのため借家権だから、業界への波紋は大きい。 |