■介護一時金の返還への対応
有料老人ホームは、「二重取り」の問題を解決しなければなりません。そのためには、次の選択を迫られます。
(1)先取りしている介護一時金によって今後も入居者の介護費用を賄い、介護保険からの給付をあきらめるのか
(2)介護一時金を入居者に返還してしまい、介護保険から給付を受けて入居者を介護する費用にあてるのか
しかし、開設して数年も経つと、ホームには健康を維持している入居者と介護を受けるようになった入居者とが、一緒に生活するようになります。つまり、介護費用を負担しているだけで利用していない入居者と、利用している入居者とに分かれます。こうなりますと、当初は、先取りした介護一時金は掛け捨てであり、相互扶助のシステムに見えていたものが、現在は、負担者と利用者との違いについて、鮮明に各入居者は自覚することになります。その自覚は、介護保険の実施によって「二重取り」が発生することで、より鮮明になります。
こうした環境のなかで、考え方が異なる個々の入居者やその家族の納得を得て、介護一時金を入居者に戻す交渉は、決して容易ではありません。むしろ、不可能に近い。
その交渉の苦労に比べれば、むしろ、ホームとしては介護一時金を返還しないで介護保険を利用せずに、従来通り、入居者を介護していく方が、「君子危うきに近寄らず」なのです。
にもかかわらず、ホーム側が介護一時金を入居者に返して、一度できあがった相互扶助の仕組みを壊そうとするのは、いったい何故なのか。どんな利益がホームにあるのかという疑問から出発すると、「二重取り」問題は理解しやすくなりますし、解決しやすいといえます。
◆グリーン東京の解決手段
グリーン東京は、次のような解決手段をとり、介護一時金を支払った入居者の皆様から同意をいただきましたので、ご報告を申し上げます。
(1)まず、入居時に介護一時金を徴収して、ホームと入居者との間で結んだ「終身の介護サービスを提供する覚書」を、破棄するための交渉を入居者と行いました。
(2)といいますのは、「終身の介護サービスを提供する覚書」を残して、介護保険と重複する部分だけを算定して、これを入居者に返還することで、「二重取り」問題を解決し、ホームが介護保険を利用する、というのは不可能だからです。
(3)たしかに、厚生省の行政指導では、介護一時金でカバーされている介護サービスと、介護保険でカバーされている介護サービスとの、重複している部分の金額を算定して、返還することで、当初の覚書の内容を変更して、介護保険を利用する、となってはいるのです。
しかし、「変更」とは何を指すのかわかりませんし、たとえ変更できたとしても、当初の介護に係わる覚書も残るために、訳がわからなくなります。そのことよりも、もともと、重複している部分の金額を算定することは、不可能です。個々の入居者やホーム側が納得するような算定額は算出できません。いたずらに、ホームのなかは不協和音が大きくなってしまいます。
(4)繰り返しますが、第一に、将来についての算定など不可能です。誰ができるというのでしょう。第二に、介護一時金で賄う介護サービスと、介護保険がカバーする介護サービスとが、どのくらい重複しているかというと、これも誰にもわかりません。
(5)重複する部分がどのくらいの金額かが、介護一時金の返還問題で、大きな争点になっています。
一般論でいえば、介護一時金のほぼ全部が重複しています。重複の程度を計るには、二つの物差しがあります。一つは、介護、看護を直接担当する寮母と看護婦の人数です。介護保険の運営基準では、3対1(要介護者3人に対して職員が1人ということ)ですが、例えば2対1以上なのかどうかを、入居者が厳格にチェックすればよい。しかし、だいたいどこの有料老人ホームでも3対1をやや上回るぐらいだと思います。
なお、グリーン東京は、職員の人数は平均的な数値よりもはるかに上回ります。確実に2対1以上ですが、その場合の重複の基準は今のところ厚生省からは示されていません。職員の人数比率の他には、具体的で客観的な物差しはないでしょう。
(6)ただし、重度の介護が必要になっても、ホーム内で介護を続けられるのかどうか、という過去の実績も物差しになりそうです。認知症の入居者は、特別養護老人ホームか老人保健施設に移って生活してもらう、というならば、その有料老人ホームは、特養や老健以下の介護サービスしか提供できていない訳であり、介護保険がカバーする介護サービスよりも介護一時金で賄う介護サービスのほうが、小さいということですから、介護一時金の返還額は計算しやすいことでしょう。
(7)なぜ、当社は、介護一時金で結んだ私的な介護契約を破棄したかの、最も重要な理由を申し上げます。
それは、厚生省の行政指導にしたがうと、入居者はどういう立場に置かれるのか、ということです。すなわち、介護一時金でカバーされている介護サービスと、介護保険でカバーされている介護サービスとの、重複している部分の金額を算定して、返還することで、当初の覚書の内容を変更して、介護保険を利用する、ということでは、入居者に対し、何が本質なのかを理解しにくくします。問題が複雑化して、多くの入居者は理解できなくなります。一方、ホーム側は100%の知識をもっていますから、入居者に対して極めて有利な立場になります。しかし、これでは交渉ではありません。
そこで、介護一時金で結んだ私的な介護契約を破棄する交渉をおこないました。どの入居者も自分の損得を明確に理解したのです(やっぱりよく分からない。ホームを信じていいんですね、と念を押される入居者もいらっしゃいましたが)。
(8)では、入居者は損得を理解しやすくなったために、交渉は、当社にとって不利となってしまったのか。事実は、逆であり、入居者が理解してくれたお陰で、話し合いは楽になりました。
◆グリーン東京はどのように返還したのか(1)
では、具体的にグリーン東京はどのように返還したのかを、2つの例でお示しします。
1つは、健康な入居者への介護一時金の返還は100%といたしました。なぜ、入居時にいただいた介護一時金の全額を返還したのかは、以下の通りです。
(1)介護保険がスタートすることで、健康な入居者の側に、「自分は利益を享受してこなかったのだから、全額を返してほしい」という希望が生じます。健康な入居者にとっては、ホームとの民民契約(ホームと入居者との私的契約のこと)を破棄して数百万円を返してもらい、月々約3000円の保険料を払って、公的介護保険を選択するほうが有利だという意識です。とりわけ、当初支払った介護一時金が高額であれば、入居者はますます公的介護保険を選択することが有利となります。
(2)ただし、その場合、ホーム側としては、入居者が介護保険を選択したいならば、返還額は半分以下でもいいはずだ、というアドバンテージを得られます。しかし、そんな交渉をやってごらんなさい。長年にわたり築き上げたホームと入居者との信頼関係は一気に瓦解して、対立関係に変化してしまいます。
なお、対立関係になることを防ぐために、前述したように、介護一時金での契約も一部残すという交渉をすすめて、複雑にする方法もありますが、当社としては感心しません。
(3)一方、ホーム側でも、介護という最大の経営リスクを、介護保険にヘッジできることで得られる利益は実に大きいのです。
入居者が、重度の介護状態になった場合は、よその福祉施設や病院に移ってもらうという有料老人ホームならば、話題にもなりませんが、「終身介護」を看板にする有料老人ホームでは、この利益こそ、最大のものです。ここを理解しなければ、入居者の生活を守る有料老人ホームの健全な経営とは何が本質であるのかや、介護一時金の返還問題の公平な解決手段は、決して見えてこないでしょう。
(4)介護保険に移行することで得られる、こうしたホーム側の最大の利益を棚に置いて、入居者と交渉することは、詐欺と同じようなことでしょう。
有料老人ホーム経営での最大のリスクは介護リスクです。介護とは人件費の固まりですし、言いにくいことではありますが、質のよい介護をいたしますと入居者は長生きなされます。ますます介護費用がかかってしまうのです。介護一時金という固定された収入で、将来の膨張を予測しにくい介護費用を今後とも賄っていくことは、良質な有料老人ホームを運営するうえで経営的に無理があります。すなわち、良質な運営を維持すれば、会社のリスクは高まってしまうのです。そして、ホームの倒産という形で、入居者へも迷惑をかけます。100%を返還しても、将来の経営リスクをヘッジできれば、会社の利益は大きいということです。
したがって、ホーム側は、入居者と前向きに誠実に話し合うことの重要性を当然のように自覚するのです。
(5)健康な入居者の全員が納得したのは、結論として、100%の返還だけでした。
健康な入居者は、介護サービスを受けたことはありません。しかし、いつ、倒れても、金銭面では不安がないように、「終身の介護サービスを提供する覚書」によって保証されていました。入居者が長年得てきたこのようなメリットをどう計算するかが、大問題でした。
(6)ホーム側は、このメリットを過大に計算してしまいがちですが、一方、入居者はそうではありませんでした。80歳すぎまで健康でいられたのは、ご本人の日々の生活の様々な面で大変な努力があったからです。
しかも、個々の入居者は、現在の年齢、入居経過年数、健康に対する自信の程度、自分の余命に対する予測などにより、考え方が違うからです。どの基準を使うことが最も公平かは、誰にもわかりません。70%を返せば納得されるのか、80%返せば納得されるのか、絶対100%でないと納得していただけないのか、区々なのです。
しかし、同一返還率でないと、入居者間でトラブルが予想されますし、ホームと入居者との間でも信頼関係が崩れ、今後、気持ちのよいホームの運営は困難となるでしょう。相互扶助のシステムを壊すにあたり、ホーム側が最も配慮したのは、今後のホームの運営でした。そして、誰もが納得してくれるのは、当然のように、100%という返還率だけでした。
(7)たしかに、誰からも信頼される第三者が、入居者とホームとの双方に中立な立場に立って、返還額を強引に決定して、双方を納得させる、という方法もあります。返還額の算定が不可能なために、この方法は、理屈のうえでは、解決策として有効です。
しかし、国境線をどこに引くべきかで武力で争っている二国に対して、だれが第三者になれるのでしょうか。しかも、有料老人ホームの歴史を振り返ったときに、そのような第三者が見当たりません。100%という返還率だけしか、選択の余地はないのです。
(8)グリーン東京は、100%を返還したとはいえ、入居者に金利はお返ししませんでした。
介護一時金をいただいていなければ、例えば1人当たり介護一時金である500万円を、10年間、銀行から借り入れることになります。その間の金利はかなりのものがあるでしょう。しかし、入居者は、いつ倒れても金銭面では不安がないように、「終身の介護サービスを提供する覚書」によって保証されていました。そうした入居者が得ていたメリットと、ホームが支払いを免れていた銀行金利とを、相殺させていただきました。
グリーン東京の場合、誰でも納得のいく国境線とは、元本だけの100%の返還である、ということで妥協が成立したのです。
◆グリーン東京はどのように返還したのか(2)
もう一つの例は、健康な入居者との結論とは正反対のものです。
ホームから介護サービスを数年間受けている入居者への返還はどうあるべきかを、グリーン東京は、どう考えたかをお知らせいたします。
当社は、介護一時金の返還によって、世間は各ホームを格付けしてくるために、要介護者に対しましても、一括返還することで決着を図りました。具体的には、「介護一時金のうち、貴殿に対しましては、当ホームは多額の金額を費消しました。残る金額は、200万円ですが、300万円をお返ししますから、当初の覚書を破棄して下さい」と、自信満々に交渉に望んだのです。
しかし、入居者の反応はよくありませんでした。正確には、要介護の入居者の家族の反応が悪かったのです。介護一時金とは、掛け捨てですから、給付額は無限大だということでした。
結論として、「終身の介護サービスを提供する覚書」を破棄するにあたり、少額ですが頭金を支払い、その後は毎月5万円を年金のように支払うことを約束いたしました。
その理由は、以下の通りです。
(1)健康な入居者への返還額が、100%でしたから、当社としましては、要介護の入居者に対しましては、返還できる資金は限界がありました。そしてまた、数年間の介護サービスによって、ホーム側は相当高額の出費をしてまいりました。また、多くの入居者の家族も、グリーン東京が誠実に自分の親を介護してきたと認めて下さいました。
にもかかわらず、返還率が20%〜60%という提示は、入居者とその家族を不安にさせたのです。その程度の金額では、入居者は今後の毎月の保険料(約3000円)と、毎月の介護保険の自己負担分(7千円〜2万5千円)を支払い続けられるのか疑問を感じてしまいます。長い余命期間を考えていらっしゃいました。ここでも、「算定」とは不可能なものだということです。
(2)ホーム側が先取りした介護一時金とは、相互扶助のシステムだと言い切るならば、介護を受けていなくても、たとえ介護を受けていても、返還率は同一のはずだ、という考え方も成り立つ一面があります。
(3)また、数年間の介護サービスをグリーン東京から受けてきた入居者や家族には、「終身の介護サービスを提供する覚書」によって享受してきた利益を今後も解消したくないという気持ちがあったようです。介護保険の外に自分(入居中の親)をおいて、すなわち公的介護保険の適用を受けずに、ホームの介護を受けるということです。当社がこれまで提供してきました介護サービスを、入居者が高く評価してくれたために、覚書を破棄したくないということです。
(4)ホーム側は、なるべく同一条件で、「終身の介護サービスを提供する覚書」を破棄しないと、入居者には不公平に感じられてしまう、という懸念が強くありました。特に、要介護の入居者の場合は、家族も返還交渉に参加されましたので、思いはより複雑になりました。
そのために、毎月5万円を年金のように支払う方法を提案したのです。
(5)入居者の皆様は、毎月の保険料(約3000円)と、毎月の介護保険の自己負担分(7千円〜2万5千円)を、ホーム側が補填してくれることが、最低の条件でした。
ホームとしては、それにいくら上乗せすることができるかで、ホームと入居者との公平性を保てるか、ということを考えざるを得ませんでした。
(6)そこで、要介護状態にあり、保険者である地方自治体から要介護認定を受けている入居者が、「終身の介護サービスを提供する覚書」を維持した場合の、メリットとデメリットを考えてみました。
入居者のデメリットとは、毎月の保険料(約3000円)と、毎月の介護保険の自己負担分(7千円〜2万5千円)の支払いです。メリットは、毎月20万円前後の現金が保険者から入居者自身が受け取れるということです。
(7)しかし、平成11年4月の段階では、厚生省は、有料老人ホームの経営者に対しての説明会において、介護一時金の返還問題の解決は、入居者側が不利な条件にあることを伝えました。
それは、ホームに入居者が先払いした介護一時金は、賦課方式である。一方、ホームと入居者が「終身の介護サービスを提供する覚書」を維持した場合、保険者から入居者に支払われる金額は、その入居者が支払った介護一時金を上限とするという、積み立て方式である、という内容でした。
どういうことかといいますと、入居者側が支払った介護一時金は賦課方式であるから、全額を戻さなくても、ホーム側は免責される。そして、入居者が公的介護保険を利用しない場合は、入居者が強制的に月々取られる保険料の対価とは、要介護になったときに入居者自身へ給付がおこなわれるのだが、それはその入居者自身がホームに支払った介護一時金を越えることはない、というのです。ここに、介護一時金が相互扶助であるシステムは、壊れたのです。
(8)すなわち、ホーム側が「終身の介護サービスを提供する覚書」を破棄しなければならない決定的な理由が登場してきました。覚書を破棄して、ホーム側が給付を受ければ、保険給付の上限がなくなるからです。
入居者は(この問題は、入居者側からの視点を忘れては、何も見えなくなります)、ホームと結んだ介護一時金による私的な介護契約をとるか、公的な介護保険をとるかという選択の自由を、特に要介護の入居者は、狭められたのです。
厚生省の通知では、建前として選択の自由はあるものの、現実としては自由は小さかったのです。
(9)しかも、介護保険が間近に迫った平成12年2月14日付けの厚生省通知(老振第6号)「介護保険法の実施に伴う有料老人ホームの介護費用の調整について」では、入居者が直接受け取る場合の限度額がさらに大幅に下げられました。具体的には、「保険給付の額は当該入居者が介護サービス費用として負担した額を越えることはありません」に加えて、「将来介護サービスを受けるための費用」という言葉が入ったことから、入居者の受け取る金額が大幅に下がったのです。
(10)すでに、要介護の状況にある入居者にこそ、選択の自由があるべきですが、こうした入居者には選択の自由はなくなったも同然でした。せめて、入居者ができることは、ホームとの私的介護契約を温存して、ホーム側に公的介護保険から給付がなされないように邪魔するという、ホームへの嫌がらせぐらいしか、方法はなくなったのです。しかし、これでは、何のためのホームでの生活でしょうか。あまりに悲惨です。
(11)平成12年2月14日付けの厚生省通知とは、「終身の介護サービスを提供する覚書」を破棄したほうが、そうでない場合よりも、ホームと入居者が受け取ることのできる保険給付の合計は、格段に大きくなるということです。この現実に着目して、当社は解決を図るしかありませんでした。
つまり、ホームと入居者とは運命共同体を形成している、と理解することです。考えてみれば、平成12年2月14日付けの厚生省通知とは、ホームと入居者との信頼関係を高める働きをもっていた、ということです。
(12)そのように、考えるように、務めなければ、普通の人間ならば、とてもまともに厚生省通知を読めるものではありません。
しかも、有料老人ホームに住む入居者は、他の国民と同額の保険料を納めなければならないのに、事業者へ入る報酬額は差別的に少ない。その事業者から入居者は介護サービスを受けるのです。
また、21世紀の社会保障制度は、少子高齢化によって崩壊が目に見えている。民営化の真の意味が問われているときに、有料老人ホームの健全な育成がより困難になると思います。
(13)気持ちを取り直して考えてみると、覚書を破棄したことで得られるホーム側の利益を、どこまで入居者に還元できるかが、最終的な論点となります。介護一時金の返還問題を解決する前提は、この一点にあるのかも知れません。
(14)結論として、グリーン東京では、いろいろな返還をしましたが、健康な入居者には100%を返還し、現に介護を受けている入居者には少額な頭金と毎月5万円を年金のように支払うことにしたのです。
◆結び
グリーン東京は、返還によって全く損を出すことなく、介護リスクという大きな経営リスクを回避できました。とても有り難いことです。事業者が、損をする契約など、顧客と結ぶ訳がありません。
私どもグリーン東京は、入居者に対しまして、最善に近いものを提供(返還)できたと思っています。とてもつらかったことは、何をもって、公平であるかが、今回の場合、物差しが何もありませんでしたので、入居者の皆様にお知らせできませんでした。
ただし、入居者に誠意をもって返還しよう、という理念は、どの入居者に対しましても、公平であった、と勝手ながら思っています。グリーン東京のすべての幹部が同じ理念を共有しています。
2月28日に、当社の顧問税理士が東京国税局に問い合わせをしました。ホームが、すでにおこなってきた介護サービスの提供額と、一括払いの返還額、あるいは毎月5万円を年金のように支払う合計額が、入居者が当初の介護一時金を越えた場合(現実に何人かが越えています)は、厚生省通知にみられる積み立て方式を、東京国税局も採用されて、入居者側に課税されるのか否かを、問い合わせをしました。
返事は、介護保険についての課税の在り方については今は何も決まっていない、これからです、というものでした。ただし、ニュアンスとしては、いいものがありました。介護を必要とする高齢者への、当局の温かい理解を切に希望いたします。
当ホームの経営者は、この国の社会保障制度の、負担の在り方と、分配の在り方に、強い懸念を感じています。年間80兆円もの資金を投じながら、利用者(顧客)が満足をしていない、という現実は、果たしてどのように許されるのでしょうか。負担する側も、年々重くなる負担に耐えられず、本社と工場を海外に移転することでしょう。
東京都の、外形標準課税は、日本の終わりの、始まりです。増税を、国民が喜んでいるのは、歴史が始まって以来のことではないでしょうか。あまりに屈折しています。全国を相手にする超大手の銀行に対して、東京都という地域限定的な課税ですから、外形標準課税の最終負担者は、銀行への公的資金を株主資本へ投入した国民です。
ここまで、長文を我慢して読んでいただいた方には、厚く御礼を申し上げます。本当に有り難うございました。有料老人ホームが先取りした介護一時金は、もっと多くの本質的な問題を含有しています。今後の展開いかんでは、さらに、このホームページで発表していきます。
(平成12年3月5日記)
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